第3のワクチンというのは私が勝手に名付けました。今までファイザー(コミナティ)、モデルナの新型コロナワクチンを使ってきたので武田薬品のワクチン(ヌバキソビッド)を第三のワクチンとしたのです。新型コロナワクチンの大部分は「メッセンジャーRNAワクチン」でヌバキソビッドは唯一の「組み換え蛋白ワクチン」です。メッセンジャーRNAワクチンは新型コロナのため急遽開発された世界初のワクチン、一方組み換え蛋白ワクチンはすでにB型肝炎ワクチンなどでも使われています。ざっくり言うと組み換えワクチンの方が効果はやや劣るかもしれないが副反応は少ないだろうという立ち位置です。
私は過去7回ファイザーのワクチンを打っていますが毎回きつめの副反応が出ていました。強い倦怠感、38度前後の熱、腕の強い痛み等々。接種日の夜はとても寝苦しく症状は36時間ほど続きました。鎮痛解熱剤を何度も使う必要がありました。そして今年もワクチンの季節。副反応を考えると憂鬱でしたが秋になってコロナの患者さんが増えてきたため最前線の医療従事者としては受けるべきだろうなと思いました。(ちなみに医療従事者といえどもワクチンの補助はなく全額自己負担です!)
「新型コロナウィルス感染症 診療の指針」によると韓国で行われたヌバキソビッドとコミナティとの比較研究では発症予防効果(90%台)、重症化予防効果とも良好で両者にあまり差がないという結果でした。一方で副反応は発熱が8.2%とコミナティの17.9%に比較してかなり低率でした。他にも色々研究して少しでも副反応が軽ければと今年はヌバキソビッドを打つことにしたのです。
さて結果です。副反応はコミナティを10としたらヌバキソビッドは2~3くらいでした。接種部の痛みは全然なし。発熱もなし。多少の倦怠感、寒気、頭痛の卵みたいのはありましたが鎮痛剤を飲むほどではなく夜は普通に眠ることができました。私一人の体験を過大評価はできませんがずいぶん楽だと感じました。副反応が不安で接種をためらっている方の参考になればと思います。
当院では主にコミナティを使っていますが事前に連絡していただければヌバキソビッドの取り寄せ、接種が可能です。ただし1本のアンプルに二人分の薬が入ってるため二人など偶数人数での申し込みに限らせていただきます。高価な薬剤のためコスト面から廃棄ができません。ご理解ください。接種料金は従来のワクチンと同額です。
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最近のコロナ事情
久しぶりの更新です。今年は6月から北海道とは思えない暑さで先が思いやられますね。
さて医療業界以外の方とお話してよく聞かれるのが「最近コロナって流行ってるんですか?」という質問です。
実はほぼ流行っていません。当院では令和2年11月に発熱外来を始めて今年で5年目になりますが令和7年6月、初めて陽性者0でした。
過去の記録では実は冬よりも夏、7月、8月に患者数のピークが来る傾向にありますし最近は感染対策もほぼ意識されていないので
まだまだ油断はできないと個人的には思っています。ちなみに7月はすでに一名、コロナ陽性患者さんがいました。
熱中症とコロナに気をつけながら短い(かな?)夏を楽しんでいただけたらと思います。
令和7年 新年のご挨拶
2025年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて本年は巳年です。WHO, 世界医師会、日本医師会など多くの医療機関のロゴマークに蛇が使われていることをご存じでしょうか?これはギリシャ神話に出てくるアスクレピオスというお医者さんに由来しています。彼はあまりに名医で死者をよみがえらせることもできたとか。そのアスクレピオスが蛇の巻き付いた杖を持っていたため蛇が医療のシンボルとして使われるようになったようです。ちなみにアスクレピオスは死者をよみがえらせた罪で神によって殺され13星座占いで有名なへびつかい座になりました(神に昇格)。なぜ蛇の杖を持っていたかはいくつかの逸話があるようですが蛇の生命力の強さ、脱皮して若返る力を持っていることなどが理由のようです。こじつければ巳年は医療の年と言えるかもしれません。
今シーズンはインフルエンザが大流行し現在も猛威をふるっています。同時に新型コロナの患者さんも増えていて二重流行の状況です。年末年始の当番病院の受診者数を見ると内科で一日200人以上の日がたくさんあり担当した病院、診療所、もちろん受診した患者さんは体調が悪い中、待ち時間が非常に長くとても大変だったと思います。振り返ればコロナ禍の2021年、2022年のシーズンに当院ではインフルエンザ0人という信じられないことが起こりました。当時行われていた不織布マスクの徹底と三密の回避(死語?)がインフルエンザ予防に非常に有効だったのではないかと推測します。これをヒントに適切な感染予防を行って暖かい春を迎えられるようにしたいですね。

令和6年、新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年は12月24日に休日当番が当たりました。ご存じの通りインフルエンザ、新型コロナのダブル流行で当日はほとんど休憩ができない状況でした。一方、年末年始は長めの6連休となり旅行先の沖縄でのんびり過ごしました。ところが1月1日に能登半島地震、翌2日に羽田の飛行機衝突事件と新年早々、悪いニュースが飛び込みいつもと違う新年の幕開けとなりました。事故の影響で帰りの飛行機が3時間遅れとなりましたが、なんとか4日の仕事始めには間に合いました。
今年は辰年。十二支唯一の架空の生物です。力強く縁起がいいので昔の彫刻のモチーフに好んで使われていますね。ちなみにわが小川医院も今年開院60年、人間ならば辰年、還暦です。今年一年が昇り龍にあやかって良い一年になることを祈ります。
